占冠の情報を発信

森と共に生きるアイヌの知恵

占冠村では毎夏、修学旅行生の体験学習プログラムを実施しています。

森を歩いてクマや鹿の生態を勉強したり、林業体験をしたり、生徒さんの希望に合わせて幾つかの楽しいプログラムが用意されています。

今日はそのプログラムの一つ、「森と共に生きるアイヌの知恵」を紹介します。

今回は大阪から修学旅行で来た高校生40名程を対象に二日間に渡り、
アイヌの森と共に暮す知恵を体感するプログラムが実施されました。

その中でも印象深かったのが、アイヌが森に狩りに出かける時につくる、小屋です。

森深くに狩りに出る旅は、時に泊りがけになります。
そんな時は森にあるものを上手に使って、小屋を創ります。

倒木や小枝を、ヤナギの樹皮を割いて作った紐で結んで小屋の骨組みにします。
フキなどの葉っぱを被せて屋根にします。

こんな小屋を数十分で「サササッ」と作ってしまうそうです。

ニシンや鹿の油をホタテの貝殻に乗せて、芯になる布に火を付けてランプにします。

焚き火は絶やさない様にします。「ここに人が居るよ」と動物達に伝えるためです。

出来上がった小屋は大人のクマより大きいサイズになるので、
クマは近づかなくなるそうです。

そしてここからがポイント。

入り口には常に食べ物をぶら下げておきます。

オオウバユリの根っこ(百合根みたいなものですね)や、鹿肉などです。

その小屋を離れて次の猟場に向かう時も、1−2食分をぶら下げて出発します。

それは、いつか何処からか、同じ様に狩りに来る人達の為にです。

そうやって、広大な北海道の大自然に点在するアイヌは共存してきました。

感慨深いですね。

その日ガイドを努めてくれた石井ポンペさん(札幌市在住)は、幼少期を占冠村の南にある日高の山の中で過ごし、お父さんは占冠の森にも狩りに来ていたそうです。

そんな昔ながらのアイヌの暮らしを伝える数少ない生き証人のポンペさん。

ポンペさんと一緒に森を散策した後は、
旭川のアイヌ記念館の館長、川村さんご夫妻なども交えての
アイヌの外遊び体験や、歌と踊りなど、和やかな時間が過ぎていきました。

占冠村=シモカプ=アイヌ語で川の上流の平和で静かな場所。

綿々と続いたアイヌの智慧も活かしながら、
21世紀型の森の営みが、ここから始まろうとしています。

2017.07.15